高校の志望校を決める時、何を基準に決めるでしょうか?
偏差値や部活、通学のしやすさと色々と条件はあると思います。
様々な条件の中でも一番意識してほしいのが、「その高校を受験する目的」です。
親や先生に言われるがまま、受験をして「高校生活がつまらなかった」ということが無いように、少し面倒でも子ども自身の気持ちに向き合って欲しいのです。
わが家には一男一女の子どもがいますが、それぞれ性質も性格も真逆です。
そんな真逆の子どもたちの高校受験の体験や経験を元にお話していきます。
Contents
その高校を受験する目的を持つ
うちの子ども達の通っていた中学の先生が、志望校を決めるにあたって、よく言っていたことがあります。
それは、
「その高校を受験する目的を考えなさい」
という言葉でした。
なぜ、その高校に行きたいのか、なんの為に受験するのかをよく考えて、志望校を決めなさい、ということを良く言っていました。
勉強嫌いな子ほど目的を持とう
勉強が嫌いな子ほど、「目的」を持って欲しいのです。
勉強のできる子ならば、目標とする高校があるかもしれません。
そういう子は、日々の努力の仕方も知っているので、自分で計画を立て、目標も立てることができる子も多いです。
今はまだ、将来の希望もおぼろげだから、後々「選べる立場になれるように」勉強を頑張るに越したことはないと思います。
上位の大学に行く目標があるのであれば、やはり上位の高校に行かないと、なかなか実現は難しいでしょう。
しかし、勉強嫌いな子はどうでしょう?
具体的な目標もないまま、中学3年生になってしまって、慌てる子もいます。
高校に入学してから、自分が何をしたいのか。
それが、部活なのか?
高校で学びたいことがあるのか?
どんな理由であれ、その高校を受験する「目的」を持つことが、重要だと思います。
目的を見つけるために自分の気持ちに向き合おう
まだ、目的を見つけられていない人は、ぜひ自分の気持ちに向き合ってみましょう。
家から近いから。
友達がその高校を受験するから。
親がその高校に行けって言うから。
それも、一応理由にはなりますが、自分が「どうしたいか」という本質ではないですよね。
少し、安直とも言える理由で受験し、その高校に入学した後に
「こんなはずじゃなかった。」
と言うお子さんは、意外に多いのです。
中には「どこでもいい」と投げやりなお子さんもいます。
私が若いママさんに相談されたことがあるのもこの問題です。
自分の気持ちと向き合わなかった結果、中退してしまう事も
自分の気持ちと向き合わなかったことで、せっかく入学した高校を辞めてしまう子だっているのです。
令和4年度の文部科学省の資料では、高校中退の理由は以下の通り。
- 進路変更 43.9%
- 学校生活・学業不適応 32.8%
- 学業不振 6.0%
- 病気けが死亡 4.9%
- 家庭の事情 3.3%
- 問題行動等 2.8%
- 経済的理由 1.4%
- その他の理由 5.0%
参考:文部科学省・児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
令和4年度のデータですが、高校中退の理由として、一番多いのが「進路変更」の43%、次いで「学校生活・学業不適応」の32.8%です。
進路変更の場合は、目的がみつかり、別の進路に変更した、というどちらかと言えば、前向きなイメージがあります。
その一方、学校生活・学業不適応の場合は、入学して思っていた事と違った、と思ったかもしれません。
少なくとも、この2つの理由については「こんなはずじゃなかった!」と思ったはずです。
家庭の事情や、やむを得ない理由がある場合もあると思います。
しかし、もっと自分の気持ちに向き合えていれば、避けられた結果かもしれません。
そのためにも、ちゃんと自分の気持ちに向き合いましょう。
わが家の子どもたちの高校受験
わが家の子ども達はもう社会人なので、高校受験は長男でもう10年以上も前の話です。
今の受験事情と異なるところはあるかもしれませんが、参考になれば良いなと思います。
わが家の場合は、上の息子より下の娘が問題だったのです!
息子の「目的」はその高校のサッカー部に入る事!
上の息子は、中1の頃から、ここに入りたい!と目標を掲げていた高校がありました。
また、その高校を受験する「目的」もハッキリしていました。
小学1年生からサッカーをやっていたので、その高校のサッカー部に入りたいと思っていたのです。
その高校が少し偏差値の高い高校だったので、そこを受験するために一つでも成績をあげておこう、という気持ちで勉強していました。
実際に、息子は勉強が好きな方だったので、中間や期末テストの度に自分のテストの点数を気にしていたし、その度に目標を立てていたように思います。
息子は、確たる「目的」があったので、そのまま中学の3年間、ブレる事なく、その目標に向かって、頑張っていました。
しかし、問題なのは娘の方だった!
息子は、学校の先生が言っていた通り自分の「目的」を持って受験に向かいましたが、問題だったのは、娘の方です。
娘は、どちらかと言うと、勉強が嫌いでした。
成績は、至って「普通」だったと思うのです。
しかし、上の子と違って、明確な「目的」もありませんでした。
なので、志望校を決めなくていけない時期になっても、
「どうしても、高校に行かなきゃいけないのか」
と言って、なかなか志望校が決められずにいました。
私は「いやいや、何かなりたいものがあるのなら話は別だけど、無いなら高校には行かないとだめだよ。中卒じゃ仕事するんだって難しいんだよ?」
と話しました。
志望校を決める中で、娘が一番引っかかっていたのは、先生の言う「その高校を受験する目的」でした。
友達や私と高校を見学に行って「この高校いいな」と思っても、その高校を「受験する目的」を思うと、それがない。
だから、「目的をもって受験したい高校がない」ということになってしまっていたのです。
娘はなかなか目的が見出せず、仕舞には
「もう、どうしたら良いかわからない。」
と言い出す始末。
私からすると、えー、そこ引っかかっちゃうかぁ~・・・って感じでしたけど、娘にしてみれば、先生に言われた言葉を自分なりに考え、真剣に悩んでいたのだと思います。
自分の気持ちに向き合わせとことん話し合った
そこで、私は娘に自分の気持ちに向きあわせました。
「自分が受験するんだから、どうしたいのか、何に興味があるのか、よく考えてみて」
と何回も言いました。
娘は、勉強が嫌いだから、高校にも行きたくない!と言っていただけあって、
「普通科に行く意味が見いだせない」
と言っていたのです。
娘が何に興味があるのか、どんな方向に進んでいきたいのか、とことん話し合いました。
私からもあれこれと提案をしました。
そして、話し合いの中で、娘が興味があると言った専門分野のある高校を探すことにしました。
最終的にどうするかは別として、公立を含めて娘の興味があるところは、出来るだけ見学にも行きました。
とは言っても、中3からじゃ遅いよな・・・と思うところや、通学できる範囲など限られているので、選択肢は少なかったのですが。
かなり焦りがありましたが、なんとか、年末ギリギリに娘が納得した高校を見つけることが出来ました!
目的を見つけて高校受験した結果
息子は、当初より希望していた高校に無事進学しました。
娘は、自分のやりたい事や好きな事を見つめなおして、納得して決めた高校に進学しました。
自分達で考え、自分のやりたいこと、「この高校を受験する目的」を持って受験したので、子ども達は3年間、本当に楽しく、充実した高校生活を送ったと思っています。
そして、なんと!あれだけ「高校に行きたくない」と言っていた娘が、高校に入学してから考え方が変わり、大学に進学したのです!
その後、無事に卒業し、晴れて社会人になりました。
私の最大の反省点とは・・・
私は、娘の受験の時、後から反省したことがありました。
上の息子とは、3歳年が離れているので、娘が高校受験の時に、息子が大学受験だったのです。
兄が大学受験で大変だから、自分はわがまま言ってはいけないと思っていたかもしれないな、と思ったのです。
そう思った理由として、娘は、なかなか自分の気持ちを話そうとはしなかったのです。
「自分の受験なんだから、自分の希望を言って良い」
「自分の気持ちを正直に言って良い」
「自分が考えていることを教えて」
と再三にわたり言っていました。
そして、ようやく自分の気持ちを話し始めました。
兄の方は、自分の希望や気持ちをストレートに話をしてくるので、気持ちを探るような事もしたことがなかったのです。
娘もハッキリ言う性格だと思っていたのですが、こちらが思っているよりも、親や周りに気を使っていたのだな、と感じました。
娘の行動や感情の変化を感じ取っていたつもりでいましたが、少し配慮が足らなかったかもしれないな・・・と、反省しました。
子どもによって、性格も考え方も違うので、一方的な決めつけは危険だな、と反省した出来事でした。
志望校を決める基準は「偏差値」だけではない
学校を決める基準は「偏差値」だけでは、ありません。
重要なのは、自分の目的や希望に沿っている学校なのか、ということが一番重要だということです。
どんな目的で、何をしたいのか。
実際に娘の行った高校は、そんなに偏差値の高い高校ではありませんでしたが、毎日楽しく、部活や学校行事に積極的に関わっていました。
成績の良い子だって同じです。
その分、選べる学校の選択肢は、多くあっても、自分の「目的」にあった高校を選んで欲しいのです。
有名進学校だから、という理由だけで決めず「自分にとって」良い高校なのか、良く考えて欲しいな、と思います
そして勉強以外でも、友達との関係や部活動など、その期間でしか経験できない事もたくさんあります。
親も子どもに対して希望や心配があるかもしれません。
また、各家庭によって、教育方針も様々だとは思いますが、親の気持ちを一方的に押し付けず、子どもの気持ちをよく聞いてあげて欲しいです。
時間の許す限り見学へ
時間の許す限り、見学に行って、その学校に対する、自分達の感覚を感じましょう。
評判としては【良い】とされていても、【自分自身が合わない】と言う場合もあります。
これは、本当に肌感覚でしかないのですが、実際に見に行って、学校、先生、在校生などの雰囲気を自分達で感じてみてください。
親が良いと思っても、子どもにとっては違うかもしれません。
見学に行き過ぎて、余計にわからなくなってしまった、と言っていたお子さんも中にはいましたが、親自身やお子さんが気になっている高校には、出来るだけ足を運んでほしいと思います。
まとめ
高校受験の志望校は、
・目的を持つ ・自分の気持ちと向き合う ・自分にとって良い高校なのかどうかを考える
といいうことを基準に考えましょう。
それでも、子ども自身はまだ中学生。
この段階で、しっかりとした希望がなくても当たり前だと思うのです。
うちの娘のように、本当は自分の希望があるのに、親に自分の気持ちを言えないこともあるかもしれません。
自分の気持ちにちゃんと向き合わせて、たくさん話をしましょう。
高校受験は、後にも先にも一回だけ。
しかし、あくまで通過点です。
その先の将来の為に
「その高校を受験する目的」
を持って、後悔のない受験をしてくださいね。
あとは、体調管理も忘れずに!!