今回は、『君の歌声にキスを』と言う漫画を紹介します。
私は、この漫画が大好きで、何度も何度も読み返しました。
音楽を通した、ラブストーリーなのですが、心を揺さぶられる本当に素敵なお話です。
私は、この漫画の新刊が出るたびに泣いていました(笑)
この素敵なお話の
1巻~4巻のあらすじと最終回のネタバレを私の感想
を含めて、解説していきます!
Contents
『君の歌声にキスを』とは?
『君の歌声にキスを』は、『月刊プリンセス』で2019年11月号〜2023年1月号まで掲載されていました。
原作者は、薫原好江さんです。
コミックは、全4巻あります。
薫原好江さんと言えば、ドラマ化にもなった『ケイ×ヤク』の作者さんです。
『君の歌声にキスを』の登場人物をざっと紹介
黒井華音(くろい・かのん)
女子大学生。
自分の声にコンプレックスを持っていて、人の目を気にして怖くて人と関われないでいる。
有名ロックバンド「BOUZ(ボーズ)」のボーカルの娘。
父親が高校生の時に他界して以来、1人で暮らしている。
北原一星(きたはら・いっせい)
人気ロックバンド「Luster(ラスター)」のギタリスト。
音楽に対して情熱を失い2年間海外生活をしていた。
華音の声に惹かれる。
華音に出会ったことで、音楽への情熱を取り戻す。
月山基(つきやま・もとい)
一星と同じバンド「Luster(ラスター)」のメンバー。
ベース担当。
思ったことを口にする。
鼓とは気持ちを代弁するほど、以心伝心。
宇野鼓(うの・つづみ)
一星と同じバンド「Luster(ラスター)」のメンバー。
ドラム担当。
あまり、表情に出さず無口だが、基とはなぜか、言葉にしなくても意思疎通ができる仲。
榎本ミキ(えのもと・みき)
華音の大学の同級生。
大学で初めてできた華音の友達。
田中(たなか)
華音の中学の同級生。
華音が声にコンプレックスを持つことになった原因の人物。
川咲麗奈(かわさき・れな)
一星の大学時代からの友人。
一星の事が好き。
大雅(たいが)
若手人気バンド「Jack」のボーカル。
ちょっと、強気な性格。
華音に興味をもつ。
漫画『君の歌声にキスを』1~4巻のあらすじ(※ネタバレあり)
好きな男の子に告白したが声が変だとフラれて以来、声にコンプレックスを持っている華音。
それが呪いとなり、華音は唯一の家族である有名ロッカーの父を亡くしてから他人とうまく関係を築けないでいた。
そんなある日、ギタリストの一星に歌声を気に入られ、一緒に音楽をやらないかと誘われるが……!?
『君の歌声にキスを』の1巻〜4巻までのあらすじ(※ネタバレあり)です。
1巻は、プロローグ的な感じなのと、4巻は最終巻なので、少し(いや、かなり)長めになっています!
1巻のあらすじ
華音は、中学の卒業式の日に好きだった同級生の「田中」に告白するも「黒井の声可愛くない、低くて変だ」と言われ振られてしまいます。
それ以来、華音は自分の声がコンプレックスになってしまい、人と上手く関われずにいました。
それは、大学生なってからも続いています。
華音の父親は、有名ロックバンド「BOUZ(ボーズ)」のボーカルでしたが、華音が高校生の時に他界しました。
自宅に音楽スタジオもあり、華音は生まれた時から音楽に囲まれて育ち、歌うことが大好きでした。
しかし、今は人前で声を出すことすら、怖いと思う状態になってしまいました。
ある日、唯一華音の気の休まる場所である家で歌っていると、人気ロックバンド「Luster(ラスター)」のギタリストである一星が突然現れます。
一瞬で華音の声に惹かれてしまった一星は、「一緒にバンドをやろう!」と誘います。
しかし、華音は、それを拒否します。
次の日も一星は諦めず、大学の教室まで華音を追いかけてきました。
一星から逃げるように教室を飛び出した時、大学の同期の榎本ミキにぶつかってしまいます。
荷物を拾ってくれたのにもかかわらず、華音はお礼も言えずに立ちすくんでいました。
そんな自分が嫌になり、華音は泣き出してしまいます。
華音が声にコンプレックスを持っている事を知った一星は、自分自身もバンドのボーカルが亡くなったことで、ギターが弾けなくなったこと、逃げるように海外に行ったことなどを話します。
「Luster(ラスター)」が初めて出演したフェスで、華音の父親のバンドでもある、憧れの「BOUZ(ボーズ)」と出会い、何かと可愛がってくれて、家に「いつでもおいで」と言われていたことを思い出し、尋ねたと言います。
そこで、華音の声を聞いたことで、もう一度ギターが弾きたくなったと話します。
海外から帰ってきていた一星は、日本に家がないのでセッションするのに丁度いいと、華音の家に同居することになりました。
一星が自分の声を「花火みたいに鮮烈で好きだ」と言ってくれたことをうれしく思いますが、まだ歌を歌う勇気はありません。
一星は、亡くなったボーカルの命日の為に帰国し、すぐに帰るつもりだったので、着替えなどがあまりないと言います。
そして、華音は一星の買い物に付き合うことに。
休憩している時に、華音の携帯の待ち受け画面の風景に一星は興味を持ちます。
棟のてっぺんから日が射している写真を一星が美しいと言ったことで、華音はその場所に一星を案内します。
その場所は、華音が引きこもっていた高校時代に、やっとの思いで外に出て、偶然たどり着いた場所だと言います。
勇気が持てない華音に、思いの丈を吐き出せと一星に言われます。
着いた時には、曇っていた空でしたが、華音が叫んだ途端に待ち受け画面と同様に日が射したのです。
華音は気持ちを共有できる喜びを感じ、一星とセッションすることに。
華音は、ようやく一歩を踏み出したことがきっかけで、以前ぶつかってしまったのに謝ることが出来なかった、大学の同期の榎本ミキに勇気を振り絞って声をかけます。
ミキも快く答えてくれて、一度話してみたかったと言ってくれます。
華音にとって初めての友達が出来ました。
相変わらず、自信が持てない華音ですが、一星の思いに答えたくて、思い切ってボーカルをやることを承諾します。
そして「Luster(ラスター)」のメンバーである基と鼓も合流し、セッションすることに。
4人の演奏を覆面で動画にアップすると、たちまちネット上で話題になります。
正直、華音に期待していなかった2人は、華音の声を聴いて、もうやらない選択肢はないと言い、4人でバンド活動することに。
いずれは、ライブをやりたいという一星ですが、華音が人前でちゃんと歌えるようになるまでは、正体不明のバンドのまま、動画配信のみで活動しようと提案します。
一星は一緒にいるうちに、華音の声だけではなく、華音自身に惹かれていることに気付き、「声以上に華音が好き」と思わず告白してしまうのでした。
2巻のあらすじ
一星に告白された華音ですが、残念なことに一星の渾身の告白は伝わっていませんでした。
メンバーの後押しで、一星は華音と遊園地に行き、観覧車に乗っている時に花火が打ちあがり、一星は新しいバンド名を思いつきます。
バンドのメンバーもその名前を良いと言い、新しいバンド名が「Fireworks(ファイヤーワークス)」に決まりました。
そして、活動を再開していることを知らなかった「Luster(ラスター)」のプロデューサーとマネージャーが動画を見たと言って尋ねてきます。
華音の事情を話すと、正体不明のままで良いからと、ライブイベントのオープニングに出る事を提案されます。
華音も覚悟を決めて、本格的にライブに向けて準備をすることになりました。
ライブイベントが始まり、緊張しながらも充実感を感じていた華音でしたが、運の悪い事に例の「田中」が見に来ていました。
華音は、彼を認識した途端、トラウマが再発し、歌えなくなってしまいます。
そして、気を失いステージから転落してしまいますが、若手人気バンド「Jack(ジャック)」のボーカルの大雅に助けられます。
しかし、そのことがきっかけで、華音は大雅に目をつけられてしまいます。
ただでさえ、最後まで歌えなかったと落ち込む華音に、大雅は覚悟もない奴が「Luster(ラスター)」をひっさげていると言い、一星たちまで悪く言われてしまいました。
悔しさのあまり、次のライブを望んでいると、タイミングよく3か月後にワンマンライブが決定します。
大雅に言われたことを一星に話しますが、それよりもどうやら「Fireworks(ファイヤーワークス)」のファンになってしまった「田中」の「田中対策」をしようと言ってくれます。
華音は、いつも自分の気持ちに寄り添ってくれる一星の事を意識し始めていました。
一方、友人のミキがバイト先の先輩に告白して、付き合うことになった、と嬉しそうに言っていたのも束の間、実は先輩には彼女がいたとライブの前日に聞かされます。
華音は、必ず楽しい気持ちにさせるから明日のライブに来てくれと、ミキを誘うのでした。
3巻のあらすじ
華音は、前回のような失敗を絶対にするまいと、強い覚悟で初のワンマンライブに臨みます。
会場が盛り上がる中「田中」の姿を発見して焦る華音でしたが、その後方にミキの姿を見つけ勇気をもらいます。
ミキのおかげもあり、初のワンマンライブは大成功に終わりました。
ミキの方もライブに来たおかげで、先輩の事が吹き飛んだと、喜んでくれました。
ワンマンライブが終わったら、一星に告白しようと決めていた華音ですが、華音のお父さんのバンド「BOUZ(ボーズ)」のメンバーの2人が突然訪ねてきて、おあずけになります。
華音を心配していた2人は、元気になってバンド活動までしている事を喜んでくれました。
お父さんが亡くなる前に立ち上げた会社の主催で毎年フェスをやっているので、そのフェスに「Fireworks(ファイヤーワークス)」として、出演しないかと誘われ、出演することに決まりました。
華音は、もう一度仕切り直して一星に告白しようとしたのですが、ボイトレに行く時間になり、またまたおあずけに。
帰りに「Jack(ジャック)」の大雅に待ち伏せされ、今までの事を謝りたいと言うのと同時に「俺の女になって」と言われます。
その時一星は、大学の友人の川咲麗奈から連絡があり、会いに行っていました。
たまたま、華音は2人がハグしているところを見てしまい、ショックを受けます。
大雅は、華音が一星に気がある事に気が付き、もし別れても一緒に音楽をやっていけるのかと言います。
家に帰ると、麗奈が華音に会いたがっていると一星に聞かされます。
麗奈を「友人」と言ったことにホッとした華音は、バンドメンバーと一緒に会うことに。
会いに行った場での一星の華音に対するふるまいを見て、麗奈は一星が華音の事を特別に思っていることに気がつきます。
麗奈は、華音とトイレで2人になった時、「ずっと好きだったから、一星をとらないでくれ」とけん制するような事を言います。
2人にあれこれ言われてしまった華音は、どうしたらいいかわからなくなってしまいます。
ミキやバンドのメンバーは、なかなか進展しない2人を心配し、買い物に行かせますが、そこになぜか「Jack(ジャック)」の大雅が現れるのでした。
4巻のあらすじ
華音と一星は、たまたま会った「Jack(ジャック)」大雅に写真を撮られてしまいました。
写真を公開すれば、覆面で活動を再開していた「Luster(ラスター)」の事や華音の存在などが大騒ぎになるだろうと、脅されます。
華音が自分の女になれば、写真を消してやると言われます。
家に帰った後、気まずい雰囲気になる2人でしたが、それでも一星からまっすぐな告白をされます。
嬉しくて、今すぐにでも気持ちに答えたい華音でしたが、大雅や麗奈に言われたことが邪魔してしまい、返事ができませんでした。
このことがきっかけで、お互いギクシャクしてしまい、フェスまでの期間距離を置くことになりました。
それとはまた、別の問題が発生します。
「Fireworks(ファイヤーワークス)」の正体は「Luster(ラスター)」なんじゃないかとネットで話題になってしまいます。
きっかけは、ファンの何気ないSNSの投稿でしたが、人気動画配信者が、2つのグループの比較動画を配信したことで、たちまち騒ぎが大きくなってしまいました。
一星は、変にスルーするよりもフェス前に「Luster(ラスター)」として、公式にコメントを出して認めた方が、ファンの為にも良いと言い、華音の存在を隠しつつ、公表することになりました。
その騒ぎを心配した麗奈から、一星に連絡があり、何か出来ることがあれば協力すると言いますが、一星は大丈夫だ、と答えます。
一星が華音の事が心配だ、と言うと麗奈は堰(せき)を切ったように、自分の今までの思いをぶちまけます。
一星は、麗奈をそういう目で見れない事もあるが、華音と一緒にいる自分が好きだ、と言います。
一方、華音はフェスの前日に一人で発声練習をしていました。
先日、「Luster(ラスター)」が公式発表したことで、華音の大学でも様々な意見が飛び交っていました。
良い意見も悪い意見もありますが、
「このボーカル誰?なんでこの人だけ正体不明のままなの?」
と言われている言葉を聞いた事、大雅の事や麗奈の事、いったい自分はどうしたいのか?答えの出ない悩みが心の中を支配します。
明日は大事なフェスなのに、このままではいけないと華音は思い立ち、いつも背中を押してくれた携帯の待ち受け画面の場所に向かいます。
するとその場所に一星がいました。
一星も落ち着かなくて、自分に喝を入れるために来たと言います。
一星が最高のステージにしたいと言うと、華音も同意します。
華音は、心から歌えるのか不安に思いながらも4人で最高のステージにしたい思いや、ファンのみんなの気持ち。
お父さんたちのフェスを盛り上げたい思い。
そして、いつか自分の姿で歌えたら、最高にカッコいいと思うと言います。
その時に、華音はやっぱり、一星と一緒にいたいと言います。
一星は、どういう意味で言っているのかと聞きますが、答えない華音に2人の思いを全部叶えようと言い、華音を抱きしめます。
その後、華音の家に戻り、2人は離れていた時間を埋めるようにセッションをし、バンドメンバーも合流し、結局、夜通しセッションをするのでした。
フェスの日になって、華音は勝手に撮った写真を消せと、「Jack(ジャック)」の大雅に迫ります。
「Luster(ラスター)」として、公式にコメントを出した以上、もう脅しがきかなくなってしまったのです。
なぜ、自分じゃなく一星なんだと言われた華音は、一星といる自分が好きだと思ったからだ、と答えます。
その後、華音はステージに上がり、歌わなければ、知ることが出来なかった気持ちや、勇気を出した先に新しい世界があったこと、そのおかげで自分を好きになれたと思います。
もう一歩進むことで、もっと楽しく歌えるだろうかと思った華音は、かぶっていたフードを脱ぐのでした。
漫画「君の歌声にキスを」の最終回ネタバレ
思い切ってフードを脱いだ華音に、ファンもメンバーも会場の全員が困惑しています。
華音にスポットライトがあたると、案の定、色んな言葉が聞こえてきます。
もちろん、その場には例の「田中」もいます。
華音は、自分のトラウマになった出来事。
一星が見つけてくれたから、この声を「好きだよ」と言ってくれたから、この場所に立てている事を話します。
隠れて歌うのも、自分を否定するのももう終わりにする、と言って自己紹介をします。
どうなるかと思っていましたが、暖かい言葉と共にファンのみんなに受け入れてもらえて、ステージは大成功に終わります。
その後、客席にいて困惑している「田中」と目が合い、華音は微笑みながらステージを去ります。
ステージも終わり、スタッフとひと盛り上がりした後、楽屋に帰る途中で不意に華音と一星は目が合い、2人は手をつなぎ、メンバーが気付かないうちにステージ裏に入り、衝動的にキスをします。
その時に華音と一星は、お互いの想いを伝えあいます。
ようやく、2人の気持ちが通じ合ったのでした。
『君の歌声にキスを』は実写ドラマ化される?
残念ながら、今のところ実写ドラマ化をされる予定はないようです。
実写化するならば、華音の「花火のような鮮烈な歌声」を再現するのが難しいのではないか?と個人的には思います。
覆面で活動している時に
「男性なのか?女性なのか?」
と歌声を聴いている人達の中で、言われていますし、正体を明かした時も「男じゃなかったの⁈」と観客から驚きの声が聞こえてきます。
どちらなのかわからない、特徴的で華音の歌声を聴いた人たちを虜にしてしまう…と言う歌声の持ち主を現実で探すのが大変そうです。
『君の歌声にキスを』の感想・レビュー
私は、この物語の「要」は、コンプレックスのきっかけになった「田中」だと思うのです。
華音が一星をはじめとする、バンド仲間や大学の友達、バンドのプロデューサーやマネージャー達に出会うことで、世界が変わり、自身も強くなっていきます。
そのおかげで「田中」というコンプレックスに打ち勝つ事ができ、自分を解放できたのだと思います。
華音は、お父さんのバンド仲間をはじめとする周りの人たちに本当に恵まれていたんだな、と感じます。
また、華音に「一星をとらないで」と言った麗奈に関しては、
「はぁ〜?それを決めるのは一星だろー!!」
とかなり感情移入してしまいました(笑)
よくある他の人に言い寄られて、気持ちが揺らいでしまう・・・的な事は一切なかったところが、個人的には好感持てましたね!
お互いに惹かれあい、必要としているのに、臆病になってしまう華音の気持ちも痛いほどよーくわかります(笑)
ちょっと、2人に水を差す出来事がありますが、お互いの気持ちが強く、ブレなかったところが本当に素敵だな、と思います。
冒頭でも言いましたが、私は、この漫画で毎巻泣いていました。
この記事を書くために読み直しながら、また泣きました(笑)
薫原好江さんの作品は、心理描写が本当に上手いなと感じています。
本当に心を揺さぶられる物語だと思っています。
まとめ
『君の歌声にキスを』について、解説してきました。
・1巻から4巻までにのあらすじ(ネタバレ)
・最終回のネタバレ
・『君の歌声にキスを』は、今のところ実写化はない。
・『君の歌声にキスを』は、心を揺さぶられる物語。
基本は、ラブストーリーだと思うのですが、音楽を通して大切なものが出来たことで、変わって行く華音。
少し、勇気を持ったら、いつでも世界は変えられるのかもしないと思わせてくれる、素敵な漫画です。
大人の方でも楽しめるストーリーだと思います。
ぜひ、読んでみて下さいね!