美大受験をする前にぜひ、考えて欲しい事があります。
そして、いざ美大受験をすることになっても次第に不安や辛さを感じたり、せっかく美大に合格しても「やめたい」と後悔する人が少なからずいるようです。
そこで!!
私には、ガッツリ美大受験をした息子がいるのですが、その息子から美大受験の実態や入学してからの自分自身や周りの人たちの苦悩などを聞いてみました。
息子に受験についてはこちら→美大受験を親に反対される理由3つと私が反対しなかった理由とその結果
美大受験を親に反対される理由3つと私が反対しなかった理由とその結果
続きを見る
それを元に
・美大受験を後悔しないために考えて欲しい3つのこと
・不安や辛さを乗り越えるための考え方
・【息子の実体験】他人の評価よりも「自分自身」を基準にすること
・美大合格がゴールではない
についてお話していきたいと思います!
これから美大を進路に考えている人や今美大受験の受験生である人や、また今まさに美大に通っている人にも参考にして頂けたら、嬉しいです。
Contents
美大受験を後悔しないために考えて欲しい3つのこと
美大受験をする前に考えて欲しい事が3つあります。
・何の為に受験するのか
・メンタル面で耐えられるか
・最後までやりきれるか
美大受験を後悔しないためにも、受験をする前にぜひ、考えて欲しいです!!
何のために受験するのか
まず、自分が「何のために受験する」のか、美大に行きたいと思った動機について考えてみましょう。
「絵を描くのが好きだから。」
と言うことも、立派な動機ですが、ぼんやりでも良いから、将来どんな仕事をしたいのか考えましょう。
これは、後に変わったって良いんです。
そして、自分が目標としている職業を調べてみて、イメージしてみてください。
現実味はないかもしれませんが「楽しそうだな」とか「やれそうだな」とか、自分の思いを整理するつもりでよく考えてみましょう。
特に、反対している親に対し、
「絵を描くのが好きだから」「ただの思いつき」
では、説得するのは難しいかもしれません。
ただ単に「美大に行きたい」と思うのではなく、
「何のために受験するのか」
をよく考えてみてくださいね。
メンタル面で耐えられるか
ここでは、何が言いたいかというと「メンタル面で耐えられるか」ということです。
まず、受験のために美大予備校に通うことになります。
そこで、受験に必要なスキルを磨いていく訳ですね。
予備校の中で、毎日のように他人の作品と比べられて、評価をされる日々が続きます。
自分が隣の人よりも上手く書けないと落ち込んだり、 自分には才能がないんじゃないか、と自己嫌悪に陥る時があるかもしれません。
耐えられなくて、予備校にすら出てこなくなる人もいるようです。
それは、美大に入ってからも同様です。
「メンタル面で耐えられるか」どうか、よく考えてみて下さいね。
最後までやり切れる覚悟はあるのか
それらを踏まえて、「最後までやり切れる覚悟があるか」どうかをよく考えてみて下さい。
美大に対してどんなイメージを持っていますか?
美大は、絵の描き方を教えてくれる場所ではありません。
もしかしたら、中には「好きな事ができるなんて楽そう」と思う人もいるかもしれません。
せっかく合格して、美大に通うようになったのに課題についていけなくて、いい加減な行動をしてしまう人もなかにはいるようです。
もっと言えば、長男の卒業展示に行った時に残念に思ったことがありました。
たくさんの素晴らしい作品が並ぶ中、とても本気で取り組んだとは思えない作品がチラホラあったことです。
作品作りが辛いから、アイデアが浮かばないからと真正面から向きあわないと、自分にとって時間もお金も無駄にすることになります。
自分自身が後悔しないためにも 「最後までやり切る覚悟があるか」ということを考えてみて下さいね。
美大受験や美大での不安や辛さを乗り越えるための考え方
美大受験や美大に対して、不安や辛さを乗り越えるための考え方についての考え方です。
先に書いた「美大受験を後悔しないために考えて欲しい3つのこと」で覚悟を決めたつもりでも気持ちの面でついていけなくなることがあるかもしれません。
実際に私の息子が体験した中で
・美大受験中
・美大入学後
それぞれについて、
「こう考えたら、少しは気持ちが楽に、前向きになるかも(?!)」
という考え方を紹介しています。
もし、不安や辛さを感じることがあったら、参考にしてみて下さいね。
美大予備校で落ち込む必要はない
1つ目の不安や辛さを乗り越える考え方は「美大予備校で落ち込む必要はない」と考える事です。
美大受験を決意して、親の了解も得て、いざ、美大予備校へ!!と意気揚々としていたのに、ここで打ちのめされることも少なくないようです。
他の人と比べて、自分の作品を評価されないことが続いたりすると、自分には才能がないのではないかと不安な気持ちになってしまったり、講評されている時間が、地獄のように感じて辛くなってしまう人もいます。
しかし、自分の作品が思うように評価されていなくても逆に「まだ、伸びしろはある」と考えましょう。
一番大切なのは「上手くなりたい」と思う気持ちです。
受験生は他の予備校にもいますし、更には、美大を目指す人が少ないとは言え、全国にいる訳です。
「予備校」という、狭い世界の中で落ち込んでも仕方がないのです。
つまり、予備校の段階で受験の結果なんて誰にもわからないのですから、落ち込む必要などないのです。
美大での評価はあくまでも大学の中の評価
2つ目の考え方は、「美大での評価はあくまでも大学の中の評価」と考えることです。
これは、美大に入ってからの話なのですが、美大にはたくさんの課題があります。
自分の専攻科の他に自分の取った講義の締め切りとかぶってしまって、休む暇もない中、課題を制作したのに、自分の作品が評価されないことも。
そんなことが続いていたりすると、このままでいいのかという焦りの気持ちと、自分だけが評価されてないのではないかという不安や辛さを感じてしまうこともあるようです。
もし、締め切りが近いからといって、いい加減に作品を作っていたなら、評価されない原因はそこにあります。
しかし、一生懸命作って評価されていないなら、ただ、その教授に「ハマっていないだけ」かもしれません。
あくまでも評価は「大学の中の評価」であって「世間一般の評価」ではありません。
何よりも、大切なのは「卒業後」のことです。
【息子の実体験】他人の評価よりも「自分自身」を基準にすること
「美大受験や美大での不安や辛さを乗り越える考え方」を持った上で、息子は他人の評価よりも「自分」を基準に考えたそうです。
こちらも
・美大受験中
・美大入学後
の息子の実体験を紹介します。
講師の評価より「自分自身」の上達
うちの息子は、初めて美大予備校に行ったとき、自分のデッサンが下手過ぎて、ショックを受けたそうです。
「世の中には、絵の上手い奴が山ほどいる!!」と衝撃を受けたとも。
講師の評価を気にするより自分自身が「早く、上手くなりたい!」と思ったこと。
もうすでに実力がある人に追いつきたい、追い越したいという気持ちを持つことで、落ち込んでいる暇はなかった、と言っています。
それに、初めは下手だったとしても、書いていけば、必ず上達していきます。
息子のデッサンも1年目より2年目、2年目より3年目と美術をよく知らない私から見ても、明らかに目に見えて上達していきました。
教授の評価より「自分自身」が納得できたかどうか
大学に入ってからも初めは、思ったように教授に評価されなかったようです。
息子は、想定している以上に課題がある中で、いかに「限られた時間で自分の納得できるものを作れるか」ということを基準にしていたそうです。
美大では、課題で作った自分の作品について、大勢の人の前でプレゼンしなければなりません。
それも、自分の納得できたものでなければ、自信を持ってみんなの前でプレゼンすることが出来ませんし、また相手を納得させることも出来ません。
教授の評価を気にするよりも、自分が納得できたのかどうかで考えた方が辛いことも乗り越えて行けるとのこと。
それが、後に自分の為になり、自分のポートフォリオにもなるのです。
まさに、「ハマっていないだけ」なのでは?
美大受験は合格がゴールではない
美大受験は合格がゴールではありません。
「合格してから」がスタートです。
苦労して美大に合格しても、燃え尽き症候群のようになってしまう人もいるようです。
その原因は、美大合格が目的になってしまっていたからです。
それでは、あまりにももったいです。
先に述べていた「何の為に受験するのか」の部分で、ぼんやりでも将来の目標を持ちましょう。
その先の目標を何も持っていないと、せっかく難関を突破したのに、辞めてしまう結果になってしまうかもしれません。
合格が目的になっていた人は、入学してからでも遅くはないので、次の目標を持ちましょう。
美大受験や美大に合格してから、遊ぶ暇もなく悩んだり、迷ったり、大変な思いをしながら作品作りをした経験は、絶対に無駄にはなりません!!
もし、卒業後に美術と関係ない仕事に就いたとしても、美大での経験が必ず役に立つはずだ、と息子は言っています。
まとめ
美大受験や美大に合格してからのお話をしてきました。
・美大を受験を後悔しないために考えて欲しいこと3つ
・不安や辛さを乗り越える考え方
・【息子の実体験】 他人の評価より「自分自身」を基準にすること
・美大合格がゴールではない
について、息子が実際に感じた事や乗り越えるための考え方を元にお話してきました。
目の前に不安なことや辛いことがあると苦しい気持ちになってしまいますが、覚悟をもって挑んでいるのなら、
「乗り越えられないことはない」
のです。
もし、不安や辛さを感じることがあった時は、参考にして頂けると嬉しいです。
少しでも、お役に立てたら嬉しいな、と思っています。